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ロンドンでテロに遭いそうになった



旅行中に雨に降られると最悪である。移動すれば体も荷物も濡れるし、傘をさせばカメラを構えるのも大変だ。そのうえカメラを雨にさらしながら撮った写真も雨空ではどんよりとした写真にしかならない。そういうわけで旅行するなら晴れの日、百歩譲って曇りの日に限る。しかし、海外のように何か月も前から計画を立てていると天気なんて予想もつかないので、現地に行って雨が降っていればがっかりして天気を恨むことになる。
そんな雨嫌いの私であるが、一度だけ雨に感謝することがあった。それが2017年3月22日、ロンドンでテロが起こった日である。ちょうどその日、私はテロの現場であるビッグベンへ行こうとしていた。もし雨が降っていなかったら行く時間がずれてテロに巻き込まれていたのかもしれない。だからこの日の雨だけには感謝している。

まずはテロ前日21日の夜、ユーロスターでパリからロンドンに到着した。この時雨は降っていなかった。そのとき成田で両替した20ポンド(当時のレートで約3000円)しか現金を持っていなかったため早速両替したかったのだが、駅の両替所のレートは悪かったので翌日街中に行って両替することにした。
そしてテロが発生した22日。この日は朝から雨が降っていてどんよりした気分だった。天気予報によると午後からは晴れそうだったので予定通り街中に行って両替をすまし、晴れたらビッグベンにでも行こうかと考えていた。



ロンドン中心部のオックスフォードサーカスに到着した。ここはショッピング街でお土産屋などが並んでおり、駅よりもお得な両替屋がある。ここに到着したのが午前11時頃。両替をすまし、お土産屋を見て回ったがまだ雨はやんでいなかった。そこで地図を見て近くにある大英博物館へ行くことにした。晴れの日の日中は屋外の観光地へ、雨の日や日が沈んだ後は室内の観光地へ。これが旅行の時間を有効活用するための鉄則である。



大英博物館の様子。ちょうど午後1時に博物館に到着した。入場無料だし入場待ちの行列もほとんどなくて快適であった。もしこの時雨が降っていなかったら大英博物館なんかに行かずビッグベンへ向かっていたことだろう。ちなみになぜそんなにビッグベンへ行きたがっているかというと、ロンドン観光の初日なのでロンドンを代表する観光地ビッグベンを見たいという単純な理由だ。



時刻は午後2時40分。テロが発生した時刻である。そのとき私はエジプトの猫を見ていた。この写真の撮影時刻は2時44分である。この時ビッグベン周辺が大混乱に陥っているとは知るよしもなく博物館の見学を続けていた。
その後3時20分に博物館を出たところ、雨が上がっていたので早速ビッグベンに向かうことにした。



ビッグベンへはレンタサイクルで向かった。途中でお土産屋などを見ながら行ったこともあり午後4時40分にビッグベンの周辺に到着した。ところが写真の通り通行が規制されていてビッグベンへ近づけないのだ。そしてカメラを構えた人がたくさんいる。この状況について、まさかテロが起きたとは思わなかった私は、偉い人が通行するのだと思い込んでしまった。このとき人に聞いてみればテロが起こったことが分かったわけであるが、英語が苦手な私はそんな面倒なことはしなかったのでテロが起こったことを知らずじまいであった。
そういえばビッグベンに近づく途中、通行人のほとんどが自分と逆方向に歩いていたような気もするが、初ロンドンなのでそういうものかと思っていた。さらにいうとヘリコプターが3機くらい飛んでいてうるさかったが、ロンドンはそういうところなのかと思っていた。



この道路をまっすぐ行くとビッグベンとウエストミンスター橋に続くはずなのだが通れないものは仕方がない。



上の写真の拡大図。ウエストミンスター橋の上だと思うが警察官たちが作業をしているように見える。
この時点でテロだとわかっていればもっと写真を撮っていたが、偉い人が通行するのだと思っていた私は、見てもしょうがないと思ったのでナイツブリッジの百貨店に行ってしまった。

結局私は知らないうちにテロに巻き込まれずにすんでいた。もしこの日雨が降っていなかったら貴重な晴れの時間を大切にするため、両替のあと大英博物館へ行かずにビッグベンへ向かっていただろう。そう考えると大英博物館へ着く30分ほど前に用事は住んでいただろうから12時半ごろからビッグベンへ向かっていただろう。そこから自転車で1時間ちょっとかけてビッグベンへ向かい、一通り写真を撮った後今度はウエストミンスター橋を渡ってみよう・・・と考えるとちょうどテロの時間にテロの現場にいたかもしれない。





翌日の23日。天気は悪かったが、雨は降らなかった。この後一週間ほどロンドンにいたが、結局雨が降ったのはテロがあった日の午前だけであった。偶然にしてはなかなか運がいい。昨日、ホテルに帰ってテロがあったことを知ったので現場を見てくることにした。




隣の橋から見たビッグベンとウエストミンスター橋。一見平和だが、ウエストミンスター橋の上には人も車も見当たらない。そしてこちらの橋にはたくさんの通行人がいた。おそらくウエストミンスター橋が通行止めなのでこちらに迂回してきている人がたくさんいるのだろう。



ウエストミンスター橋の南側にはたくさんの報道陣が集まっていた。



橋は相変わらず通行規制中のようで通れないようだ。



テロと関係があるかはわからないが、フロントガラスの割れたロンドンバスもあった。

このあと北側からビッグベンに近づこうとしてみたが、同じように通行規制されており近づくことはできなかった。



3月25日。この日ビッグベンを訪れてみると、通行規制は解除されており近づくことができた。ロンドン滞在中ずっと通行規制されていたらビッグベンを見ずに帰ることになるのではないかと心配したが大丈夫だったようだ。ちなみにビッグベンの建物の中の見学は日付限定のツアー形式のみで、予約も必要なようなので行くつもりはなかった。



ビッグベンの前にはたくさんの花束が並べられており、人が亡くなるような事件があったことを実感させられる。いままでは警察が道を封鎖しているところしか見ていなかったので人の死やケガが実感できなかったのだ。そして一歩間違えれば私も死んでいたのではないかと考えるとテロの犠牲になった人が一層身近に感じられて悲しい気持ちが増した。



このテロの後にも世界各地でいくつかテロが起こっているが、罪のない人間が意味もなく死ぬのは悲しいことである。このようなテロが二度と起こらないように祈る。




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